【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。
頭上から降ってきた声に弾けるように顔を上げる。
白い煙がゆらゆら揺れて、ようやく視界が鮮明になる。
「やっぱり、」
……と。
溜め息混じりに声を落とした秋十がいる。
「えっ、あ、秋十……?」
私は都合のいい夢でも見てるのかな。
だって、私の目の前には秋十がいるんだもん。
「ひどい顔。それに、なんで裸足?」
クスッと笑う秋十に思わず瞬きも忘れてしまう。
なんで、秋十がいるの………?
私の声なんて聞こえてなかったはずなのに。
途端に喉の奥が熱くなって泣きそうになる。
「お前の声が聞こえたから」
「え……?」