【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。





「ワンッ!」



突然、地面を見つめていた視界にひょこっとふわふわのシルバーの毛並みをしたわんちゃんと、土のついたスニーカーが現れた。



「…………泣いてるのか?」


「……え、」



顔を上げると、わんちゃんのリードを握る男の子が私の顔を覗き込んだ。


すごくビックリした顔で。

同じ年くらいの男の子かな………?

薄暗い中でも真ん丸で大きな黒い瞳がとても印象的だった。



「あの、私……引っ越してきたばかりで……」



迷子になったなんて恥ずかしくて言えない……。



「帰り道がわかんなくて泣いてるの?」


「……っ、」


「迷子なら、そう言えばいいのに」



ツーンとしてて意地悪そうな男の子だ……。



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