【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。




「あの、ありがとう」


「……別に。そういう根性悪いヤツが、嫌いなだけだから」



ふと視線を逸らしてわんちゃんを撫でる男の子に、胸が温かくなった。



「可愛いわんちゃんだね?名前なんていうの?」


「ルル。トイプードルの女の子。母さんが昔飼ってた犬と同じ名前なんだ」


「ルルちゃん。ルルちゃんも、ありがとう」



うるうると輝くアーモンドアイを見つめてお礼を口にしたその時。



「………仁菜っーーー!!」



あっ……、お母さんの声だ……!


思ったよりも近くで聞こえてきて、直ぐ様立ち上がり声のする方へと駆け出した。



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