【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。
「わたし、日和っていうの。帰りの班も同じなんだ。仲良くしてね?」
帰り道で差し出されたひーちゃんの手がとても温かくて、涙が出そうになるくらい嬉しかった。
陰口を叩かれて誰かの言葉に傷つく時もあったけど、ひーちゃんと仲良くなれたことが嬉しくて、学校が楽しいって思えたある日。
それは、なんの前触れもなく突然やってきた。
ーーーガンッ!!
サッカーボールがお喋りをしていた私達に向かって飛んできたことがある。
「きゃあ………!だ、男子の仕業ねっ!?教室でボール蹴ったら危な…………」
女の子の一人が驚いて声を失っていた。
ーーーその犯人は、桐生秋十。
真っ直ぐに睨む冷たい瞳は私にだけ送られていた。
不機嫌な口元が今にも文句を言いたそうで。
そこから桐生秋十の意地悪は始まった。