【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。




「やばい!遅刻する!お母さんいってきまーす!」


「ああ、待って待って、仁菜!」



狭い玄関でローファーに足を突っ込んだところに、お母さんの慌てた声が飛んできた。



「あれ?お母さん、今日は仕事休みじゃなかったっけ?」



通学途中にあるオープンカフェで働くお母さんは、モーニングの時間に間に合うように早くに家を出ている。



「うん。今日は休みなんだけどね」



疲れてるんだから、ゆっくり寝てればいいのに。


なんて言いながらもいつも私より先に家を出るお母さんがいるってだけで、嬉しかったりする。



「月曜日だから、ゴミ出ししてくれると助かるのよ。エヘヘ……」


「なーんだ!そういうことね!はいはいー!じゃ、ほんとに遅刻しちゃうからいってきます!」



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