【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。
本当に私の目的を邪魔したいとしか思えない。
それにこの大魔王も臨海学習で同じグループだなんて、考えるだけで憂鬱に襲われてクラクラしそう。
文句を言ったあと逃げるように机に突っ伏した。
……だけど。
「やっとお前が口きいてくれたのに。そんなに嫌いかよ、俺のこと……」
「っ、」
ポツリ、と零れた声が大魔王らしくない……。
切なげに視線を落としていたのが見える。
つい先日までは、三年以上、言葉を交わすことがなかった私達。
「っ……、だ、だって、アンタがずっと私をいじめてきて……」
なのに、まさかそんな顔するなんて……。
なんだか逆に私が傷つけたみたいだ。
予想外のことに咄嗟に声を上げた私は、突っ伏していた体を勢いよく起こした。
「なーんてな?冗談だ、バカ」
は…………?