【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。
「日和、オレがあの時ーーー、」
「っ、うるさいうるさい……!!もう、思い出したくないの!構わないでよ!」
今度こそ、怒った顔をして叫んだひーちゃん。
「やっぱ怒ってるじゃん」
晴くんは表情一つ変えずにポツリと声を落とすと、その場を立ち去っていった。
「……ひーちゃんいいの?晴くん行っちゃったよ?」
「そうだぞ日和。アイツって、日和の幼馴染みなんだろ?追っかけないのか?」
私と颯太の問いかけに無言で頷いた。
二人にはきっと何かがあったんじゃないかって思ってしまうけど、深くは聞かないんだ。
誰だって触れてほしくないことはあるものだから。