【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。




訳がわからず立ち尽くしていると………、



「だって堤くんとわたしも“そういう関係”だもん。アナタも、それを求めて来たんじゃないの?」



い、意味わかんない……。

そういう関係ってサラリと言われても……。


身体を起こした堤先輩はうろたえる私に気づいて立ち上がった。



「きみ、名前なんていうの?」


「に、蜷深 仁菜です…………」



今さら自己紹介なんて必要ないと思う……。



「ニーナちゃんね?」



目の前で囁き声を落とす堤先輩は笑顔のまま。


はぁ……。

きっと罰が当たったんだ……。


私は堤先輩に本気で恋をして告白しようと思ったんじゃない。


それは、あの日決意した、私の勝手な理由から……。



「ねぇ、ニーナちゃん?」



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