鬱病の私がジイちゃんの死に立ち会って考えたこと
木曜日
2017年2月2日木曜日のAM.9:26。


私は既に1年と10ヶ月ほど着続けている黒っぽいブレザーにスラックス、中には青いワイシャツと薄い黄色のダサいセーターのようなものを身につけながら、数学の指数関数を解いていた。


数学が大の苦手で、1年生の後期中間考査以来ずっと赤点を取り続けている私にとって、それは意味もなく、そして理解に苦しむ時間だった。


だいたい何でlog2の8の答えが3なのか。


指数がどうのこうのと、去年の3月に大学を卒業したばかりの先生が先程言っていた気がするけれど、真ん中の列の前から2番目に座っているにも関わらず、興味なさげに落描きをしていたからか、さっぱり分からない。


ふと教室の前にある温度計に目をやる。


19.5℃。


それにしては寒いなあと思った。


剥き出しにされている憐れな掌にもう一つの方の掌を重ねたけれど、寒いのはどちらも同じようで、ちっとも暖かくならない。


眠い。


昨日23時過ぎまでスマホを弄っていたせいだろうか、頭の奥の方から「眠れ」と持ち主の許可なく勝手に指令が下される。


あ、あと5分もしないで授業が終わるじゃん。


そう思えば思うほど、尚更「眠れ」と声が聞こえる。


やめろ、寝たら単位取れなくなんだろ、ただでさえ頭悪いのに。


こんな毎日、終わってくれと思った。


その時。
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