俺の彼女~バレンタイン~
シアワセ~翼side~
今日は朝から頬が緩みっぱなしだ。
さっき七海に
「チョコは?」
と聞いたら、
「放課後渡す・・・その方が、高校生っぽくない?」
ととんでもなく可愛い笑顔で言われて思わずその場で抱きしめたくなった。
「お、翼いた!翼ー」
誰かに呼ばれて教室のドアの方を見ると、
そこには兄貴と塩坂先輩がいた。
「なんだよ」
「よぉ弟、誕生日おめでとう!」
「弟くん、ハピバ!」
「兄貴サンキュ!先輩も!」
「で、昨日言い忘れたんだけどね・・・」
少し言いづらそうな顔をする塩坂先輩。
なんだ??
「・・・弟くんも、見たよね?昨日、七海と喋ってた・・・」
「あ、あの男・・・」
「そう、えっと、木村(キムラ)っていうんだけど」
そこまで言って、塩坂先輩はなおも言いづらそうにうつむく。
代わりに兄貴が口を開く。
「俺達の推測にすぎないけど、あいつは七海を狙ってる」
「・・・だよな」
「今日も朝から七海と楽しそうに喋ってる」
「っ・・・七海が楽しいならいいんじゃん?」
「へらへらしてたら取られるぞ」
「分かったよ」