俺の彼女~バレンタイン~
そんなことを悶悶と考えているとあっという間に放課後になった。
何はともあれ、今は七海を迎えに行こう。
そう、思ってたのに。
「おい!翼!大変だ!!!」
クラスのお調子者、昴(スバル)が勢いよく駆け込んで来た。
「なんだよそんなに慌てて」
「今、お前の兄貴が来て!お前の彼女が、木村って先輩に呼び出されて旧校舎の10 1室に行ったって!追いかけろ!」
「は!?・・・くそっ」
俺は何も考えずに走り出す。
何をくよくよしてんだ俺は。
俺が本当に七海を幸せにできるか?
そんなの七海が決めることだろ!
そんなの関係なく、俺は七海のことが好きなんだよ!!!
俺は走った。
一秒でも早く、七海を抱きしめたくて。