俺の彼女~バレンタイン~
「おい、心の声、思いっきり漏れてる」
「ああ!?」
背後から声がしたと思って振り返ると、
そこには兄貴の蒼空(ソラ)がニヤニヤしながら立っていた。
「お前、我が弟ながらキモイな」
「兄貴に似たんだろ!?」
「なんでそんな怒ってんだよ。・・・あ、もしかして、ヤキモチ?」
誰か、こいつを殴ってくれないか?と、思った瞬間。
ドコッ!と目の前で兄貴が殴られた。
「もうっ!また弟くんのことからかって!嫌われるよ!?」
「いってーなー!お前は怪獣か!」
「はあ!?誰が怪獣よ!私は女の子!!」
「・・・あの、もういいっすよ、塩坂先輩」
兄貴のことを殴ってくれたのは、
兄貴の彼女で七海の親友の塩坂咲(シオサカサキ)先輩だ。