俺の彼女~バレンタイン~
「あ、そう?優しいね弟くんは。あ、七海呼ぼうか?」
「あ、お願いします」
「おいおい、俺のことは無視か?無視か!?」
彼氏でありながら華麗にスルーされる兄貴、さすがだ。
「七海~!彼氏のお迎えだよ~~ん♪」
そう言って呼ばれた七海とその隣にいた男は
驚いたようにこちらを見る。
あー、俺の彼女、ちょー可愛い。
「・・・翼」
「七海、帰ろ」
「うん!・・・あ、じゃあまた明日」
「おう、じゃあな笹野(ササノ)!」
七海はその男に手を振ってからこちらに走ってくる。
なんだよ、仲良いんだなー。
ま、七海の彼氏は俺なんで!
七海は俺のもんなんで!!
そういう意味をこめてこっそりその男をにらむと、
余裕たっぷりの爽やかスマイルで会釈された。
ちきしょー、良いヤツかよ!