†Knight Mare†
「……ちっ!」

静まり返った教室。

秋人は舌打ちをしドサッとイスに座った。

「おい、速報だってよ…」

教室の隅で携帯を片手に持つ生徒が口走った。

『速報です。ついさきほど、新たに被害者がでました。行方不明になったのは男性二人、先週からの被害者と合わせてとうとう二十人を切りました。議会は警察本部と連携を取り行方不明者の捜索に出る方針のもようです。 以上 速報でした』

教室内がざわめいた。

「おい…コレ、まじでヤバいだろ……」

「やっぱり、学校よりか家の方が安全じゃ…」

「ば、バカ!…んなもん偶然がかさなっただけだ…」

ガラの悪そうな生徒たちも不安と恐怖で顔が引きつっている。

そもそも、この事件が起き始めたのは今から一週間前になる。

一番最初の被害者は本校の教師だった。

借金が返せず夜逃げを計ったと言う噂から始まり、ヤクザの一人娘と恋に落ち、駆け落ちをしたなどで笑い話になっていた。

しかし、二日後、さらに四人の行方不明者が出たときには生徒たちに笑いは無かった。

それから毎日のように被害者が出ていき……



現在、行方不明者は二十人を切ったのだ。
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