言えない言葉
Ver.1
朝、何時も通りの通学路を歩いているだけなのに。俺の気持ちは至極複雑なままだった。 何があった訳でもない、でも何かが俺の思考を支配していた。
「はよ」
「……ちっす」
後ろから聞き覚えのある声がして振り返るとそこには友達が居た。
名前も覚えていない、でも毎朝此所で会話を交わす友達。
「――さ、女の子なんだから自分の事‘俺’って言うの止めようよ」
最初の方がよく聞き取れない。俺は先程何を言ったのか問うた。
「何言ってんの、――?アンタ大丈夫?」
まただ、一部分だけ聞き取れない。 一体この人は俺に何を伝えようとしているのだろう?
もう一度聞くのは気が引けたから俺はそのまま友達の話題に相槌を打っていた。 聞いているのに、頭には入って来ない何かの話題に――――――。
学校に着いて、友達と別れる。 顔しか知らない友達は隣りの教室に入って行った。 俺は何時も通り教室に入り、自分の席に座る。座ったところで俺は異変に気付く。
誰も 居ない。
そう、まるで魔法を使ったかの様に辺りを見回しても誰も居ない。教室は勿論、廊下、窓の外を通って居る筈の通行人さえも。
先程別れた、顔しか知らない友達も。
誰一人として、俺の前に姿を見せなかった。
気配さえ見せない。でも不信感は感じたが、不思議と余り驚かなかった。 まるで、前にも同じ事が起こったかの様に―――――。
「はよ」
「……ちっす」
後ろから聞き覚えのある声がして振り返るとそこには友達が居た。
名前も覚えていない、でも毎朝此所で会話を交わす友達。
「――さ、女の子なんだから自分の事‘俺’って言うの止めようよ」
最初の方がよく聞き取れない。俺は先程何を言ったのか問うた。
「何言ってんの、――?アンタ大丈夫?」
まただ、一部分だけ聞き取れない。 一体この人は俺に何を伝えようとしているのだろう?
もう一度聞くのは気が引けたから俺はそのまま友達の話題に相槌を打っていた。 聞いているのに、頭には入って来ない何かの話題に――――――。
学校に着いて、友達と別れる。 顔しか知らない友達は隣りの教室に入って行った。 俺は何時も通り教室に入り、自分の席に座る。座ったところで俺は異変に気付く。
誰も 居ない。
そう、まるで魔法を使ったかの様に辺りを見回しても誰も居ない。教室は勿論、廊下、窓の外を通って居る筈の通行人さえも。
先程別れた、顔しか知らない友達も。
誰一人として、俺の前に姿を見せなかった。
気配さえ見せない。でも不信感は感じたが、不思議と余り驚かなかった。 まるで、前にも同じ事が起こったかの様に―――――。