彼の第2ボタンは誰の手に渡るのだろう。花達を眺めながら思うのは学校のアイドル奥寺のボタンの行方。勿忘草の花言葉は私を忘れないで。3年間丹念に育てた花達は私が卒業すれば世話をする者が居なくなり枯れてしまう。きっと誰の目にも留まらない。花達に別れを告げる私に彼は自分のボタンを渡す。俺のこと忘れないで。ああ、その言葉の意味が分かったかも知れない。居たよ、私を見つけてくれた人。私を忘れないでくれる人。私も忘れない。卒業と入れ替わりに私に訪れたのは恋(ボタン)だった。桜舞う新学期新しい制服に身を包んだなら、2人の距離が少しでも近付いていますように。春よ、早く来い。