永遠の果て。

「えっ…えっ…なんで…」

予想もしていなかった事態に、頭がついていかない。

「おー、綾川じゃん」


名前!知ってくれてた!!

「う、うん。たま…あ、木戸くんは?何してるの?」

「俺は~…癒されてんの」

「…へ?」

キョトン、と目を丸くする。


夕焼けの、やわらかくてあたたかいオレンジ色の光が、彼を優しく包み込む。

淡いオレンジ色の髪の毛が、ふわふわと柔らかく風に揺れる。

滑るように落ちたまつげの影が、彼の頬になめらかに映る。


あたしはその姿を、頭の中に焼き付けるようにシャッターを押した。


少し悲しげな、儚く切ないその姿を

いつもは見せない彼の弱さを

あたしには見せてもいいと思ってくれたのかな?

< 4 / 8 >

この作品をシェア

pagetop