永遠の果て。

「もしかして、こいつら世話してたの綾川?」

あたしの持つニンジンとキャベツを指差す。

「うん。前まではみんなが見えるところにうさぎ小屋があったみたいなんだけどね、新校舎になってから、ここが校舎裏になっちゃって。今では学校にうさぎがいること、誰も知らないんじゃないかな…」

そう言って、ニンジンとキャベツをエサ置き場に置くと、すぐにうさぎが集まって食べ始めた。

「ふ~ん…でもさ、綾川は知ってんじゃん」

え?と珠樹くんの方を振り向くと、珠樹くんもあたしを見ていた。

「誰も知らないなんて寂しいけど、たった1人でも大切に思ってくれてる人がいるなら、俺だったら寂しくないな」

そう言って、顔をくしゃくしゃにして笑う。

夕焼けが無かったら、きっと顔が真っ赤になっていること、バレちゃってたと思う。


すごく、すごく嬉しかった。





< 5 / 8 >

この作品をシェア

pagetop