断罪アリス
アリスさん、凄いな……。
「やっと終わった?あー、うるさかった」
すると、風間さんが背伸びをして身体を起こした。
……この人、寝た振りか。
「風間さん、起きてたなら止めてくださいよ」
「え、やだ。それに、あの二人のやり取りは大学の頃からだから気にしてない」
彼はあっけからんとそう答えると、再び布団に潜って眠ってしまった。
「ふぅ……、なっちゃんも頑固だから困っちゃうよねー」
いやいや、そんななず姉を言い負かせた人は誰だよ。
そんなことを心の中で思っていると、アリスさんが俺達の方を振り向いた。
「おや、君は?」
彼女の視線は莉瑚を捉えている。
「隣に住む幼なじみの朽月莉瑚です」
俺が言う前に、莉瑚は自分から自己紹介をしていた。
「幼なじみ……ねぇ……」
幼なじみという言葉にアリスさんはスッと目を細めた。