断罪アリス


「明日は大学来るよね?」



「行くよ。さすがに二日はサボれない」



「じゃあ、また明日ね。──邪魔者が現れた……」




言葉は最後まで聞こえなかったから聞き返そうとしたら、聞き返す前に莉瑚は屋根伝いに自宅へと戻っていった。



何て言ったんだ?




莉瑚の背中を見送りながら窓とカーテンを閉める。




「……へぇ、面白いね。堂々と宣戦布告してったよ」




すると、後ろから風間さんの少し弾んだ声がした。




振り向けば、思案げに顎に手を当てるアリスさんと楽しそうに笑みを浮かべる風間さんの姿があった。




「どうかしました?」




「コトリ君。あの子、最近変わったことなかった?」




「莉瑚ですか?いえ、特には……」




アリスさんの問いに答えると、彼女はまた何かを考えるような素振りを見せる。




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