断罪アリス
「あの、アリスさん?」
彼女の様子が気掛かりで声をかける。
「何でもないよ。さて、寝ようか。あんまり遅くまで起きてると──」
「藤邦アリス!天河をさっさと寝かせろ!朝ごはんが食べれなくなる!」
アリスさんの言葉を遮るように、お風呂上がりのなず姉が勢いよくドアを開けた。
あまりに強くドアを開けたものだから、ドアと壁が軋む音がする。
なず姉、頼むから部屋のドアと壁を壊さないでくれよ……。
「なっちゃん、まさかの朝ごはんの心配?でも、朝ごはんが食べれないのは嫌だから寝ようかな」
アリスさんはクスクスと笑いながら布団に入った。
「天河に手ぇ出したらシメる」
そう言い残して、なず姉は自分の部屋へと戻っていった。