断罪アリス
ある程度歩いた辺りで二人の背中を押すのを止めて、並んで歩く。
「迎えに来るなら一言行って下さいよ。二人とも、目立つんですから」
「えー、言わない方がドッキリみたいで楽しいじゃん。それに、朝も送ったんだから帰りも来るって分かるでしょ」
飄々とした態度で俺の言葉に返してきたアリスさんの言葉に、若干イラッときた。
何かなず姉がキレる意味が分かった気がする。
苛立ちが顔に出ないようにしながら自宅のある方に曲がろうとしたら、二人は曲がることなくまっすぐ行ってしまう。
「え、何処に行くんですか?」
「事務所ー。言わなかったけ?」
「……言ってません」
不機嫌気味に返せば、アリスさんは「ごめんねー」とあっけらかんと笑っていた。