断罪アリス
アリスさんに一般常識を求めたらいけないんだったな……。
俺はため息を吐くと、前を歩く二人の後をついて行った。
少し歩くと彼女の事務所の入っているビルに着いた。
階段で二階にある事務所のドアの前に着くと、誰もいないはずの室内に電気が付いている。
「もう来てるんだ。早いね」
アリスさんは部屋の電気を付けているのが誰なのか知っているらしく、ドアを押し開けた。
中には二人の男の人がいて、ドアを開けたことで彼らの視線はこちらに向けられている。
「呼び出しておいておせぇじゃねぇか、アリス」
一人は煙草を吹かし、テーブルに足を上げている。
「あ、待ってたよ。遅いから何かあったのかと思った」
もう一人は温和な雰囲気を醸し出し、眼鏡をかけている。
誰だ、この二人?