断罪アリス
「才暉(サイキ)、此処は禁煙。それに、その汚い足を下ろしな。一飛(イチヒ)は相変わらず良い子だね」
アリスさんは二人に近付くと才暉と呼ばれた男の人の足を殴り、一飛と呼ばれた男の人の頭を撫でていた。
「あれ、摂紀は?」
「いってぇな、暴力女!あー、アイツなら仕事抜けられないみたいだ──っでで!」
才暉と呼ばれた彼は足を下ろすとアリスさんを睨み付けながら、風間さんの問いに答えていた。
でも、答えている最中にアリスさんに頬をつねられ、涙目になっている。
「依良に摂紀を貸せって言っておいたのに。まあ、君ら三人いるから良いか」
アリスさんは頬をつねっていた手を離すと、状況を読めない俺の方を見た。
「コトリ君、この二人を紹介しておくね。ほら、自己紹介」
「いってぇな、ったく……。俺は羽取才暉だ」
アリスさんに頬をつねられていたのが羽取才暉さん。
「佐滝一飛です」
温和な雰囲気を醸し出していた人が佐滝一飛さん。
二人とも、なかなか整った容姿をしている。