断罪アリス

item.3 despair



「切碕……」



現れて欲しくない男の襲撃に、アリスさんはデスクの後ろから立ち上がって苦虫を噛み潰したような顔をしている。




そんな彼女とは対照的に、切碕は紅い瞳を細めて笑っていた。



「やあ、アリスちゃん。一昨日振りだね、会いたかったよ」




「私はお前みたいな奴とは会いたくなかったよ。今日は何の用?まだ外は暗くないけど」




「そんなこと言わないでよ。今日は勧誘に来たんだ」




「勧誘?」



切碕の言葉に、アリスさんは怪訝を抱いたのか眉を更にひそめた。



「そう、君の守ろうとしている彼をね……」



奴の紅い瞳が倒れたままの俺を捉えていた。



風間さんは俺を立ち上がらせると、アリスさんがいる奥へと追いやった。






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