断罪アリス
「俺はもう……戻れない……?」
全身から力が抜けてしまって、その場に膝をついた。
頬にはいつ流したか分からない涙が伝う。
「……幸い、まだ君には目立った殺人思想を感じられない。でも、切碕と接触するうちにそれは必ず目が覚める。目覚めるのは時間の問題だよ」
アリスさんの言葉が鈍器のように重い衝撃で頭に落ちてきた。
まるで、彼女の言葉は死刑宣告だ。
もう後戻りは出来ない。
絶望した時点で、俺の運命は狂い出してたんだ。
いや、違う。
俺が生まれた時点で全てが狂ってしまっていたんだ。
頭を抱えて身体を丸めれば、慟哭が喉を引き裂いた。
もう俺は絶望の淵なんかにいない。
そこから飛び降りて、絶望のど真ん中に落ちてしまっていた──。