断罪アリス
item.4 determination
「コトリ君ー、何か食べなよー。朱鷺がお粥作ってくれたよ」
そう言って、アリスさんがベッドに寄りかかる俺の目の前にお粥の入った土鍋を置く。
でも、俺は手をつけない。
というよりかはつける気も起きない。
俺はあの絶望を知ってからもう三日は水以外何も食べていない。
大学も休んで、ずっと自宅の自室に閉じ籠っていた。
いつも朝と夜に莉瑚が屋根伝いに部屋に来て文句を言っていくけど、いつもは煩わしく思えるそれも今はどうでも良かった。
「一口で良いから食べなよ」
アリスさんはそう言い残して、部屋から出ていった。
一人になった静かな部屋には蝉時雨だけが響いている。
たった七日の命を全うしようとしている蝉に対して、俺はあと何年生きるであろう身体をもて余している。
こんな人を殺す考えを持つDNAを持つ俺なんか生きてたって、誰が得をするというんだ?