断罪アリス
すると、突然部屋のドアが勢いよく開いた。
「ちょっと、朱鷺!」
そこにいたのは怒りを露にした風間さんと彼を止めるアリスさんだった。
風間さんは部屋に入るなり、俺の胸ぐらを掴み上げる。
「いつまでそうやって、現実から逃げてるつもり?」
風間さんの声は低く、怒りが込められている。
「現実から逃げたって何にも変わんないんだよ。アンタがこの世に生まれ落ちた時点で、これは全て決まってたことだ」
だから、何だって言うんだよ?
これが俺が生まれた時点で決まっていたことなら最初から教えてくれてもらっていた方が良かった。
そうすれば、こんな思いをせずに済んだ。
「……アンタ、自分が一番の被害者だと思ってる?」
「……………」
否定も肯定もしない俺に腹が立ったのか、風間さんは舌打ちをつく。
そして、俺を無理矢理立ち上がらせた。