断罪アリス
「何もアリスがそんなことしなくても目覚めたら、彼の姉である小鳥遊七砂が殺すんだよ。そういう約束で本人には明かしてなかったんだ」
周は寿永の跡取りだから親伝てでなっちゃんが任されている使命を知っている。
でも、なっちゃんは弟であるコトリ君を溺愛してる、殺せるはずがない。
「……これはもしもの時の保険だよ。なっちゃんが殺せなかったときのね」
すると、目の前に猪口が差し出される。
それを差し出していたのは依良で、反対側からは周が徳利から猪口にお酒を注いでいた。
「もういい、お前がやろうとしてることは分かった」
何処か悲しそうに笑う依良と周に勧められるがまま、猪口に口をつけてお酒を煽る。
喉にお酒独特ののどごしを感じた。
と同時に頭がクラクラしてくる。
「うー、クラクラするー。でも、美味しー」
足が縺れて倒れそうになる私を依良が支えてくれた。