断罪アリス
「猪口一杯で酔うとか有り得ないんだけど」
「弱すぎだな」
「酔っれらいもん…….」
「「大丈夫、お前はしっかり酔ってる」」
しっかり酔ってるとか意味不明……。
あー、頭がフワフワする。
「まったく、手のかかるお姫様だな。ほら、しっかり俺達に掴まれ」
『貴女は本当に手のかかるお姫様だ。ほら、俺の手に掴まって』
周のことばが昔の記憶の≪彼≫の言葉と重なる。
「生意気ね……、年下のクセに……」
「は?」
「和真(カズサ)……」
依良と周が肩を揺らすのを感じながら私は意識を手放した。
脳裏にもうこの世にはいない最愛の人の面影を思い浮かべながら──。
≪アリスside end≫