断罪アリス
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翌日。
「うー、頭痛い……」
アリスさんはソファーに寝転がりながら頭を押さえていた。
「二日酔いですか?」
俺が水を差し出すと、彼女はそれを受け取って一口飲む。
「多分ね。昨日、依良達と飲んでからの記憶がなくてさ……。猪口一杯は飲んだのは覚えてるんだけど」
え、猪口一杯?
それしか飲んでかないのに記憶なくした挙げ句に、二日酔いとかどんだけ弱いの?
二十歳になってから酒はよく飲むけど、どれだけ飲んでも二日酔いというものを味わったことがない。
だから、二日酔いになる人の辛さがイマイチ分からない。
「酒飲めないくせに飲むからだ、馬鹿アリス。周さんに呼ばれて、迎えに行く俺達の身にもなれよ」
リビングのテレビでゲームをしながら話を聞いていた羽取さんの嫌味に、アリスさんはムッとする。
「私は飲めないんじゃなくて、弱いだけだよ。それに、何で周はさん付けなのに、私は呼び捨てなのよ」
突っ込むところ、そこ?
馬鹿って言ったのは良いの?