断罪アリス
何なんだよ、コイツ……。
目といい、ナイフといい、絶対危ない感じの奴だ。
「さぁ、こっちにソイツを渡してもらうぜ」
「嫌だよ。って言ったら?」
宅配業者はニヤリと笑ったかと思うと地面を蹴り、一瞬にして俺達の目の前に来た。
「……てめぇを殺すまでだ」
狂気に満ちた眼差しで笑い、宅配業者は俺達に向かってダガーナイフを振り下ろしてきた。
ふと、視界が黒く染まったかと思うと、金属音と共にそれは止められる。
「おいおい、物騒な奴だな。宅配業者がこんな真似しちゃいけねぇよ」
リビングにいたはずの羽取さんがそのダガーナイフを受け止めていた。
「……邪魔すんじゃねぇよ」
「それはこっちの台詞だ。せっかく、もう少しでクリアするところだったのに、て
めぇのせいでお預けじゃねぇか」
羽取さんは苛立ったように宅配業者を蹴り飛ばすが、それはヒットせず、宅配業者は後方に飛んだ。
「さっさと宅配の荷物置いて帰りやがれ」
何処からともなく苦無を取り出すと、羽取さんはそれを宅配業者の方へ投げ飛ばす。
でも、それは交わされてしまう。