断罪アリス
でも、あまり接点のない一学生の俺にそんな提案をしてくるくらいだ。
理事長は余程アリスさんに来て欲しいらしい。
「……分かりましたよ。行きます」
「あ、本当?良かった、退屈せずに済むわ」
「……は?」
「実を言うとね、藤邦は立場上絶対に参加しないといけないんだよね。でも、私はああいう場が退屈で嫌いだから、弄って楽しい君を連れて行きたかったんだよね」
アリスさんの言葉に、俺は凍り付いた。
つまり、俺は飽きたときの暇潰しの為に完全アウェイな場所に行かないといけないのか?
項垂れたくなる気持ちを堪え、ため息を吐いた。
この人に一般常識を唱えたって意味がないと風間さんに言われてるけど、これはもう一般常識の度を越えてる。
「アリスさん、貴女は本当に自由な人ですね……」
俺が嫌味を込めて言ったにも関わらず、彼女は「褒められたー」と喜んでいた。
いや、微塵も褒めてないんだが……。
今度こそ、俺は項垂れた。
パーティー行ったら、更に疲れそうだな……。