断罪アリス
「俺が言いたいのはそうじゃなくて……」
「大丈夫!嫌がらせされるのはいつものことだし、気にしないよ。私、女の子同士で纏まってるよりも天河といる方が楽しいし」
莉瑚は俺と仲が良いということで、これまでに何度も嫌がらせをされている。
何で俺なんかのせいで、莉瑚がそんな目に合うかが分からない。
眉間にシワを寄せて莉瑚を見ていると、莉瑚は苦笑いを浮かべた。
そして、俺の眉間のシワをつつく。
「いい加減、自分の容姿を自覚しなよ。天河は優しいし、気遣いが出来るし、カッコいいからモテるんだよ」
「自覚しろって言ったって、自覚したらただのナルシストじゃん」
「そう言うところが女の子は見てるんだよ。飾らない優しさを持つ天河を見て、皆好きになるの。……私もね」
莉瑚は最後の言葉を俺が聞く前に、イヤホンを耳に突っ込んできた。