断罪アリス


「俺が言いたいのはそうじゃなくて……」



「大丈夫!嫌がらせされるのはいつものことだし、気にしないよ。私、女の子同士で纏まってるよりも天河といる方が楽しいし」



莉瑚は俺と仲が良いということで、これまでに何度も嫌がらせをされている。



何で俺なんかのせいで、莉瑚がそんな目に合うかが分からない。



眉間にシワを寄せて莉瑚を見ていると、莉瑚は苦笑いを浮かべた。



そして、俺の眉間のシワをつつく。



「いい加減、自分の容姿を自覚しなよ。天河は優しいし、気遣いが出来るし、カッコいいからモテるんだよ」



「自覚しろって言ったって、自覚したらただのナルシストじゃん」



「そう言うところが女の子は見てるんだよ。飾らない優しさを持つ天河を見て、皆好きになるの。……私もね」



莉瑚は最後の言葉を俺が聞く前に、イヤホンを耳に突っ込んできた。





< 25 / 595 >

この作品をシェア

pagetop