断罪アリス
さて、俺はどうするべき?
自分の中で単位とアリスさんが天秤にかけられ、上下にゆらゆらと動いている。
「アリス」
ふと聞こえた凛とした声に、アリスは「げっ」と顔をしかめた。
声がした方を見れば、そこには着物姿の女の人と智さんが立っていた。
この女の人、誰かに似てる……。
「相変わらずのようね、我が娘は」
我が娘?
ということはアリスさんのお母さん?
若すぎないか?
女の人──、アリスさんのお母さんは20代の娘がいるとは思えないほど綺麗で、育ちが良さそうな上品な雰囲気を醸し出している。
こんな人からアリスさんのような破天荒な娘が生まれるなんて──。
あ、智さんがそうだから生まれるか。
そんな突っ込みを一人で心の中でしていると、彼女の視線が俺へと向けられる。
「君が噂の小鳥遊天河君ね。うん、潮によく似ているわね」
そう言って、彼女は俺に近付いてきて、手を伸ばしてきた。