断罪アリス
好奇の眼差しを向けられてもおかしくない。
一般人が三名家の跡取りや当主に名前を知られ、傍にいることを許されているのだ。
少なくとも気に入らない奴はいるだろう。
アリスさんは風間さん達に帰ることを伝えて、俺を連れて外に出た。
「すみません、アリスさん。折角、お祝い事なのに……」
「気にしないで良いよ。元々私はああいう場が嫌いだから」
アリスさんは結い上げられていた髪をほどくと、頭を軽く振った。
結い上げられていたからかいつもはストレートの彼女の髪も、少し癖付いている。
あ……。
ふと、アリスさんの髪にゴミが付いてるのを見つけた。
「アリスさん」
ゴミを取ろうと手を伸ばすと、アリスさんは名前を呼ばれたからか急に振り返ってきた。
「……っ!」
唇が触れそうになるくらい顔が近くて、俺は反射的に身を引く。
び、びっくりした……。
バクバクと音を立てる胸に触れると、手の甲を口に当てた。