断罪アリス
「今、何て──」
「あ、バス来た!行こう!」
イヤホンを外して莉瑚に問うけど、バスが来たことでそれは阻まれた。
バスに乗れば、やっぱり必然的に莉瑚は俺の隣にいる。
俺にとってはそれは当たり前だけど、他の子から見たらどう見えるのだろうか?
「天河」
「ん?」
「心配してくれて、ありがとう」
心配するのは当然だ。
莉瑚は俺の大切な幼なじみなんだから。
その言葉が言えるわけもなく、ただ前を見て頷いた。
「……もしもの時は殺してやるから良いの」
ふと、隣で莉瑚がポツリと何か呟いた。
殺すってことは剣道を習っている莉瑚のことだから叩きのめすということだろう。