断罪アリス
「やっぱり、トマトたっぷりのキーマカレーだって」
「分かりました、ありがとうございます」
メモを終えるとちょうど莉瑚が食べ終わっていて、俺はその食器を洗い、莉瑚の家のエコバッグを手に取る。
「ほら、行くよ。莉瑚」
「はぁーい」
「あ、私もついてく!」
アリスさんが莉瑚に抱き着きながらそう言うと、莉瑚の顔が一瞬曇った気がした。
でも、それは気のせいだったのか、莉瑚はアリスさんと仲良く歩き出した。
俺もその後をついて行く。
俺達が住む住宅地から15分位歩いた場所に、安くて質の良い生鮮食品が揃うスーパーがある。
そこに着くととりあえずカートにカゴを入れて、莉瑚に押させる。
「まずはトマトか。んー、これかな?」
どれも良い品だし、どれを選んでも外れはない。
でも、食べるなら少しでも美味しそうなやつの方が良い。