断罪アリス
何で、その笑みを向けられるのはあたしじゃないの?
何で、その女なの?
その女はあたし以上に貴方が好きなの?
愛してくれてるの?
何で、あたしはこんなに貴方を愛してるのに好きになってくれないの?
愛してくれないの?
「藤邦アリス……」
手に力を込めれば、スマホがミシミシと軋んだ。
あの人には藤邦アリスに手を出すなと言われてるけど、もう無理。
邪魔すぎる。
藤邦アリスをあの女と同じ目に合わせれば、今度こそ彼は……。
「殺す……」
あたしは知栄が部屋にいるのをすっかり忘れていた。
「……正体を現したみたいだね。そろそろ私も動き出さないとね」
だから、知栄がそんなことを呟いていることも知らなかった。
≪莉瑚side end≫