断罪アリス


「四人揃って何してるの?」




ふと、後ろから声をかけられた。




振り返ったら、そこには和泉と玖下さんがいた。




「暇だから本でも読もうと来たんだよ。此処、涼しいし」




「なるほどね」




「……あれ、アリス達と一緒じゃないの?」





玖下さんは怪訝そうに眉をひそめる。




「アリスさん達は別件で一緒じゃないんです。大学なら玖下さんも和泉いるから大丈夫だって」





俺は莉瑚達には悟られないように用件を簡単に告げると、彼は「まったく、困ったお姫様だ」と苦虫を噛み潰したような顔をしていた。




「それより、天河。ちょっと良い?」






俺は和泉に手招きされて莉瑚達に「ちょっと行ってくる」と言い残して、和泉達と場所を人気のないスペースに移す。




「……摂紀さんと大学構内を探った結果、アリスさんから聞いた?」




「は?」




聞いた?ってことはアリスさんは聞いたということ。




「俺……、聞いてない……」





俺の言葉に、和泉は「しまった……」というような顔をする。





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