断罪アリス
「……和泉、墓穴掘ったね」
「だ、だって、てっきりアリスさんが話してると思ったから……っ!」
必死に弁解しようとする和泉に、玖下さんは呆れ気味だ。
アリスさんは知っていて、俺に隠してる。
何だよ、隠し事は無いんじゃないのかよ……。
俺が知っちゃいけないことがまだあるのかよ……。
「和泉、こうなったら話さないと駄目だよ。アリスには僕から言ってあげるから」
「……自分で言います。天河」
深呼吸をして、落ち着きを取り戻した和泉は俺をまっすぐ見てきた。
俺も隠し事をされるのはもう嫌だから話してくれようとしている和泉を見た。
「大学構内を探って、切碕と通じてそうな怪しい動きをしてる人間を絞り込めた」
和泉は持っていた資料から三枚の写真を取り出し、俺に渡してきた。
「…………っ!」
その写真を見て、動揺が隠せなかった。
何故なら、その写真に映っていたのは莉瑚と柳、翔平だったから──。