断罪アリス
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「んー、相変わらず良い腕してるね」
アリスさんは柳の動きに満足そうに頷く。
「お褒めに預り光栄です、アリス様」
恭しく頭を下げる柳。
それはまるで主従関係だ。
え……、何だよ?
意味分かんないんだけど。
「小鳥遊君、この件はコレを片付けてからアリス様からお話があるから今は待って」
柳は地面に倒されて呆然とする男子学生を腹部への攻撃で気絶させると、身構える。
「彼に近付くなら私が捩じ伏せる。意識を飛ばしたい奴からかかって来い」
再び殺気を放つ柳に、周りの学生達は一歩後ずさった。
そんな時──。
「あーあ、怖じ気ついちまったな。泥棒が泥棒にビビったら意味ねぇだろ。仮にも仲間だろ?」
ヤンチャそうな声音と共に、ピアスをたくさん着けた男が現れた。
確か、名前は黛といったはずだ。
「いや、仲間じゃねぇか。仲間を取っ捕まえて俺達(警察)に突き出そうとしてんだからな」
黛は楽しそうに身体を曲げて笑う。