断罪アリス
≪アリスside≫


空を見上げれば、鉛色に染まっている。



もうすぐ梅雨の時期が終わる頃だというのに。




いつ雨粒が落ちてくるか分からない空を警察署の屋上から見上げていた。




「……会うのは大学を卒業して以来かな、なっちゃん」



背後から感じる気配に振り返れば、なっちゃんとその父親が立っていた。



「なっちゃんは止めろと在学中から言っているはずだが?藤邦アリス」



なっちゃんもとい、小鳥遊七砂は不機嫌そうに私を睨み付けてくる。






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