断罪アリス
「切碕……っ」
アリスさんは忌々しそうに莉瑚の後ろに立つ切碕を睨んだ。
でも、切碕は動じることなく、倒れた莉瑚を抱き上げた。
「莉瑚をどうするつもりだ!?」
「殺したりしないから安心しなよ、天河君」
切碕の赤い目が俺をまっすぐと捕らえる。
『幼なじみを殺されずに済んで安心してる?それとも、自分で幼なじみを殺す?元カノの仇として……』
──するか、馬鹿。お前は少し黙ってろ。
楽しそうなもう一人の≪僕≫に心の中で一喝する。
「……さて、今日は天河君ともアリスちゃんとも遊ぶつもりはないよ。僕は迎えに来たんだ、君を」
切碕の目が俺から違う人に向けられた。