断罪アリス
「そんなことをやらせたかもしれないね。まあ、最終的にやると決めたのは律生だよ」
「……下衆が。玖下がお前にも母親にも似なくて良かったとつくづく思うよ」
理事長のその一言に、玖下さんは一筋の涙を溢す。
俺は何で彼が泣いているのか分からなかった。
「まったく、依良ってば良いことを言うじゃない」
アリスさんは理事長が言った言葉の意味が分かったらしく、クスリと笑っていた。
俺はアリスさんに意味を聞こうとした。
でも、それは切碕の笑い声でかき消されてしまった。
「あっははは!三名家の次期当主達は現当主達よりも面白いね」
その笑い声にアリスさんと理事長は不愉快そうに眉をひそめる。