断罪アリス
「あーあ、此処は依良君の摂紀に対する想いに免じて摂紀を仲間に引き込むのは諦めよう」
「なら、さっさと帰れば?その子、さっさと止血しないと死ぬよ」
「冷たいことを言わないでよ、アリスちゃん。摂紀は諦める。その代わりに返してもらうよ」
「……何を言っている?お前に返すものなんて──」
「戻っておいで」
切碕は莉瑚を片手で抱くと、もう片方の手を前に差し出す。
その先には柳と風間さんがいる。
──嫌な感じがする。
そして、切碕は名前を呼んだ。
「──朱鷺」
アリスさんが信頼し、傍に置いていた彼の名前を──。