断罪アリス
「何で……っ!朱鷺ッ!」
問い詰めるように風間さんの胸ぐらを掴み上げたアリスさんだったけど、唐突に体をくの字に折る。
「アリス様!貴様……っ」
柳がその場に膝をついたアリスさんに近付くと、風間さんを睨み付けた。
俺も彼女に駆け寄る。
アリスさんは風間さんに殴られたのか腹部を押さえていて、口の端からは血が伝っていた。
「何で?理由なんてないよ、アリス。……俺は風の間を鳥のように自由に飛び回るんだよ」
彼の言葉に、アリスさんは息を飲む。
「だから、俺は組織に縛られず、自由に生きる。それを叶えるために切碕の方についた」
風間さんはゆったりとした足取りで切碕の方に歩いていく。
その姿にアリスさんはうつ向いて何も言わずにいた。