断罪アリス
そんなアリスさんの姿に風間さんの目が揺らいだ。
一瞬だったけど、確かに彼の目が揺らいだ。
でも、風間さんは俺達に背を向けて歩き出した。
「じゃあ、また会いに来るよ」
切碕が誰に会いに来ると言っていたかは分からない。
俺かもしれないし、アリスさんかもしれないし、玖下さんかもしれない。
だけど、今度会いに来たときはきっと風間さんも共に来るだろう。
その時は敵として彼を見なくてはならない。
あまりにも残酷な真実が多すぎる。
残酷な真実は知った俺達を苦しめ、悲しませた。
苦しみと悲しみが俺達を包んでいるというのに、既に空は明るくなり始めている。