断罪アリス
「年下は年下らしく、年上に甘えなさい」
ポンポンともう一度頭を撫でると、彼の口から嗚咽が漏れる。
「俺……莉瑚のこと何にも気付けなかった……。誰よりも傍にいたのに、アイツが俺を好きだったことも……人を殺してたことも……」
「どんなに傍にいても気付けなかったのは私も同じだよ。君だけじゃない。だから、自分を責めたら駄目だよ」
責めるなと言っても責めてしまうのがコトリ君の悪いところだ。
でも、良いところでもある。
責めてしまうのは優しいからだと思う。
……お互い大切な人の秘密を知ってしまったけど、前を見なくてはいけない。
後ろを向いては切碕の思う壺だ。
だけど、今だけは立ち止まって全てを吐き出せば良い。
前を向くのはそれからで良い。
私はコトリ君が泣き止むまで彼の頭を撫でていた。
≪アリスside end≫