断罪アリス


とある廃屋。



「──莉瑚の様子はどう?」




切碕は廃屋内のベッドルームへ向かうと、ベッドに眠る少女の容態を問う。




少女の……莉瑚の切り落とされた腕の治療をした潮は現れた切碕を見た。





「……出血は止まったわ。でも、出血が多かったからあまり良くない状態ね」




「そう。まあ、死んだらそれまでだったということだ」




「……本当に下衆ね」




潮が軽蔑するような目で切碕を見ると、彼はクスリと笑った。




「僕には褒め言葉だよ、それは」




普通なら腹が立つ言葉でも切碕には褒め言葉だった。




彼は自身の性格が歪んでいることを自覚していて、自身を罵ったりする言葉は特に気に止める程でもないのだ。




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